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卒業しますよー。

ぼちぼち準備を始めなければ…
今日が天気よくてよかった。やっぱり門出はいいシチュエーションで迎えたいから。

とかいいつつ、卒業式よりも謝恩会とか2次会の事で頭が一杯だったり(笑)


タイミングよく卒業といういいネタが転がっていたのでちょっと小話書いてみた←

re:start



私はソファに深く腰掛けたまま、デスクに着く雲雀さんに向けて声を放った。

「雲雀さん、私今日卒業だよ」
「そう」

まるでどうでもよさそうな返答。実際彼にとってはどうでもいい事なのだろう。

「私がいなくなったら寂しい?」
「まさか。煩いのがいなくなって清々するよ」
「…そう」

抑揚のかけらもない受け答え。少しでも期待した私が馬鹿だった。
でも心のどこかではそれを解っていたのだろう。私は雲雀さんをたったの一度も見ないし、雲雀さんも書類を睨み付けて顔を上げない。
いつまでもここにいてもどうしようもない。やはり彼を見ないで立ち上がる。

「どこ行くの」
「もうすぐ式が始まるもの」
「君は卒業式になんて出ないよ」
「なん、で…?」
「卒業できないからね」

私はようやく雲雀さんを見た。すると彼も私を見ていた。

「だってさっき『清々する』って…」
「本当にいなくなればね。生憎ここには君の他にまともに書類整理ができる人間がいないんだ」

それはよく知っている。だから授業返上で応接室にこもる事も間々あったくらい。

「それに君、自分の出席日数が足りてない事解ってる?」

授業にはきちんと出ている。それでも足りないというのなら応接室に呼び出されたせいだ。
はは、自嘲したように笑って私はソファに座り直した。

「来年もよろしくお願いします」
「仕方ないからよろしくしてあげるよ。君は下僕だけどね」

下僕…今まではただのパシリだったのに。卒業できない事よりも格下げされた事に激しく落ち込んだ。
雲雀さんにとって私って何なんだろう、空笑いが口から漏れる。背中には影を背負っている事だろう。もしそれが見えるならば、だけど。

「僕の前から勝手にいなくなる事は許さないよ」

だから私は、雲雀さんの呟きなど耳に入らなかった。



end.

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